続・AIレクチャー

AI

以前作ったAIレクチャーをブラッシュアップして現職場でお話しする機会をいただきました。医学情報検索に始まり,研究や論文執筆において適切にAIツールを活用する方法を議論し,多くの質問やフィードバックをいただきました。

 

巷には既に多くの情報があるものの実際の活用方法がわからず困っていた,という先生が多かったようでGPTsの設定のしかたや実際の情報検索の流れを踏まえたConsensusやConnected Papersの使い方の説明は好評だったようです。

 

つい先日GPT-4oがリリースされ数日試してみましたが,GPT-4と比較して回答の精度が大幅に向上したと感じました。このアップデートについて言及したかったので実際にChatGPTのデモンストレーションを行いましたが,Excelの模擬データや散布図,箱ひげ図のスクリーンショットを解釈させた画面を出したところ参加者からどよめきが起こっており「自分が大学院生の時にこれがあれば…」という声も聞こえてきました。今後もAIがさらに進歩し実用的,一般的な存在になっていくのが楽しみです。


ChatGPTの出現以降は生成系AIの進歩が早すぎて学術界の対応が追いついておらず,論文執筆に対するAI使用については雑誌ごとに規定されている状況ですが,近い将来に国際的なルールが整備されることは確実です。将来自分たちの論文を見返したときに恥ずかしくないよう,今から適切なAIとの付き合い方を心得る必要性について皆で確認しました。

 

個人的にLLMの学術利用に際しては

①個人情報,他人の著作物を読み込ませない

②適切なオプトアウト

③適切な情報開示

などを徹底していきたいと考えています。今後もAIを味方につけるべく実践的なテクニックをアップデートしていきたいです。


余談ですが,レクチャーのはじめにスティーブ・ジョブズの”bicycle for the mind”というインタビューの話をしました。

「生物の移動距離あたりの消費カロリーを比較すると人間はとても効率が悪いが,自転車に乗ることで一気にトップクラスに躍り出る。同様にテクノロジーは知性にとっての自転車のようなものだ。」

というニュアンスで,若き日のジョブズがコンピュータ産業の展望について語るインタビューなのですが,今まで時間をかけていた作業を生成系AIが肩代わりしてくれるようになり,自分にとってまさに自転車(もはや自家用車レベル?)のような存在に感じたのでAIレクチャーの前説にしています。

実際のインタビューをご覧になりたい方は“Steve Jobs a bicycle for the mind”で調べてみていただければと思います。

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