【書籍紹介】トップジャーナルへの掲載を叶える ケースレポート執筆法

Book review

私の執筆の師匠とも言える一冊を紹介したいと思います。

これからケースレポートに挑戦してみたいと考えている方には前回紹介した「正攻法ではないけれど必ず書き上げられる はじめてのケースレポート論文」とあわせて,執筆開始前に是非通読して欲しい1冊です。

「正攻法~」が執筆プロセスの全体像に重点を置いた総論的な一冊だとすると,「トップジャーナル~」は症例選択から執筆中の論理的思考に重点をおいた一冊だと思います。

これまでに何冊もケースレポート執筆に関する書籍を読みましたが,この2冊を通読すれば必ず投稿完了までたどり着けると思います。「ケースレポートのクオリティを高めたい」という方にも是非おすすめしたいです。

「アクセプトの鍵は、ロジックと記憶に残るストーリーにある」

という帯のキャッチフレーズにもあるように,全体を通じて著者が「トップジャーナルへケースレポートを掲載する」ことを意識して分析してきたことが伝わる内容で,クオリティの高い症例報告の原則や共通点が言語化されています。

学びを洗練させる方法としてFive Whys,学びの重層化,SUCCESsの法則などの実践的なフレームワークが紹介されていたり,各段落の構成についても詳細に説明されていて,自分自身もそうでしたが,ケースレポート未経験の人にとってはお手本のような思考過程を学べます。

よく,「論文そのものの質は掲載誌のインパクトファクター(IF)とは相関しない」と言われますが,NEJM CPSやJAMA Clinical Challengesなどトップジャーナルの中でも教育的価値に重きをおいたセクションは一線を画する印象があり,読み物としても秀逸なため読者目線でも毎回更新されるのが大変楽しみです。

この本の著者の先生は,上記2つのセクションへの掲載を達成しているのみでなく,JAMA,Lancet系列を始めとする有名誌に複数のケースレポートを報告されています。現在はグローバルヘルスに携わられているようですが,臨床に関わっていた時期,おそらく今の私と同じか,更に若い年次でこれだけの実績を残しているというのは正直驚きを隠せないです。

私はこの本から得た学びをEvernoteにまとめて,院内レクチャーから論文執筆に至るまで,ケースプレゼンのディスカッションを考える際に参考にしています。

いつかお話する機会があれば,実際の執筆経験についてお話を聞いてみたいものです。

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