【Podcast】Core IMについて

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Core IMの最新エピソードは「経管栄養」,一般床で必要な経管栄養の知識が網羅的にまとまった骨太なエピソードでした。

Audience reviewerとしてCore IMのお手伝いをするようになって1年くらい経ちますが,非常に良質な医学教育コンテンツで同僚や後輩達からも大変好評なので,ご紹介したいと思います。

About Core IM

Core IMとは

Welcome | Core IM Podcast
Core IM is a virtual medical community. We strive to empower our colleagues of all levels and backgrounds with clinicall...
こんな方におすすめ!
①Podcast学習に興味がある
②英語のリスニング,特に話し言葉での医学英語のディスカッションを聴くトレーニングがしたい
③内科の総論的知識を勉強したい

Core IMはPodcastを中心とする教育コンテンツを配信する米国のウェブサイトです。Podcastは毎回特定のトピックについて切り口を決めたティーチングを行う形式で,一話聴くとそのトピックについて必要な基礎知識やリソースを把握することができます。

一言で表すと聴くNarrative reviewともいえる学びに満ちています。

トピックは内科学全般ですが,セッティングはベッドサイドマネージメントを意識したものが多く,主な視聴者層は米国だと内科インターンからレジデント,ホスピタリスト,日本だと初期研修医,総合診療,内科系の先生方に幅広く役立つ内容だと思います。

American College of Physicians (ACP)がInternal Medicine Podcastsとして公式サイトでも紹介しており,視聴することで米国での専門医維持に必要なCME & MOC credit (UpToDateやMKSAPで貯まるあのポイント)が獲得可能であり,米国では立派な教育リソースとして認知されています。

最近はNEJM GroupとのコラボレーションあるBeyond Journal Clubなども始まっており,コンテンツ拡充が続いています。

Core IMはCognitive load(認知的負荷)を軽減することを考え抜いたコンテンツだと思っており,元々お気に入りでした。カフェミュージックのようなBGMを背景にしつつ,英語はとても聞き取りやすいです。米国臨床医の話し言葉でのディスカッションが行われており,言い回しなども勉強になります。

Reviewに携わるようになってわかったことですが,Podcastは原稿作成の段階から何度も校正,再録音を行っており,聞き取りやすさの背景には制作陣の努力があるのだと知りました。

ホームページもキャッチーなレイアウトになっていますが,コンテンツの中身は極めて教育的です。米国の現役臨床医たちが作るコンテンツなので医学雑誌や学会ホームページと比べるとより臨床への適応を意識した実践的な内容になっており,ガイドラインや論文と実臨床をつなぐようなコンテンツが多いです。

Core IMのコンテンツ

Podcast

メインコンテンツであるCore IM PodcastはApple Podcastなどで視聴できる他,ホームページでも無料で視聴が可能です。大体1話30-40分程度で長すぎない,というのがgoodです。

‎Apple Podcast内のCore IM | Internal Medicine Podcast
‎健康/フィットネス · 2024年

ホームページ

Episodes

全てのエピソードで音源,Shown Notes(まとめノート), Transcript(原稿の文字起こし), Infographics(まとめ画像)が公開されています。これらを併せて活用することで相乗効果でPodcastの学びが加速します。

DCPS的Core IMおすすめ活用方法
いくら勉強になるとはいえ,英語音声コンテンツのため一回聴いただけで内容を全て
把握することが困難であるというのも事実です。
私がいつも新エピソードを視聴する際に行っている手順をご紹介します

①Show Notes, Infographicsでエピソードの概略を把握
②Episodesを視聴
 (私は視聴履歴が残るのでApple Podcastsで聴いてます)
③聞き取れなかったコメントはTranscriptを確認
④要点をEvernoteにまとめる

Bytes

Podcastとは別に,ホームページ内にワンポイントティーチングのコーナーがあり,コンテンツは心電図,放射線画像,POCUSなど様々です。

YouTube

Youtubeではホワイトボードレクチャーや動画を使用したコンテンツも展開されています。

各種SNS

Xを筆頭に,Instagram,Facebook等各種SNSのアカウントがありますが,エピソードの要約とinfographicsが掲載されています。自分はいつもXで新着情報を確認しています。

Audience Reviewerになるまで

私は1年くらい前に医学情報収集と英語のアウトプットのためX (Twitter)アカウントを作りました。日本では医療クラスタを「医クラ」と呼ぶことがありますが,英語圏でも同様に MedX (MedTwitter)というコミュニティがあり,国境を超えて活発な議論が行われています。

元々Core IMのリスナーだったため,最新話の感想をポストしたり,関心領域である臨床倫理関連の投稿をよく行っていたのですが,ある日Core IMのEditor-in-ChiefであるShreya先生からDMで「臨床倫理関連のエピソードのAudience reviewに興味がありませんか?」と連絡が来ました。海外ではSNS経由で仕事の依頼があるという噂は聞いたことがありましたが,実に21世紀的なアプローチだなと思いました。

当時自分は英語での仕事というのは数えるほどしかやったことがありませんでしたが,自分がNon-native English speakerの日本人医師であるということも伝えたうえで是非,とお誘いいただき,チャレンジを決意しました。良い機会を頂いてShreya先生には本当に感謝しています。

Audience Reviewerがやっていること

Core IMはPeer review → Audience reviewという2段階のreviewプロセスを経ており,前者は査読者によるコンテンツの医学的妥当性の吟味,後者は視聴者目線での認知的負荷や,聞き取りやすさなどデリバリーに関する改善を提案します。

内容としては原稿と仮録音を確認して誤字脱字を訂正したり,「この表現が分かりづらかった」「こういう補足があるとわかりやすいと思う」みたいな提案をする,といった感じです。

現在は臨床倫理のみならず,医学的な内容のエピソードのreviewもさせてもらっており大体1ヶ月に1,2話くらい依頼を頂いています。制作プロセスの終盤に少し関わるのみですが,お手伝いしたコンテンツがブラッシュアップされて公開されるのは嬉しいですし,reviewを行うことで,リスナーとして聴くよりもコンテンツに関する理解は格段に上がりました。今後も細々とお手伝いを続けていきたいと思っています。

もしCore IMを活用されているという方がいらっしゃれば是非感想を教えて下さい!

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