執筆関連のおすすめ書籍の紹介です。
タイトルや本文中でも繰り返し強調されているように
はじめてケースレポートに挑戦したい人がまず読むべき本です。
私は恥ずかしながらレジデント時代は全く執筆活動に手が回らず後期研修終了後から筆を執り始めた,もといキーボードを叩き始めたばかりの駆け出し著者ですが,ケースレポートを仕上げるために自分なりに調べたことや周りの人に聞いたこと,さらには今後調べようと思っていたことが網羅的にまとまっており,「自分のレジデント時代にこの本が出版されていればどんなにありがたかったことか・・・」と思いました笑
執筆未経験でも立案から出版までの全体像を俯瞰してイメージしやすい構成で大変勉強になりました。
初めての執筆作業は「そもそもどんな題材を選べば良いんだ?」「何から書き始めれば良いんだ?」「出版するために誰と何を相談すれば良いんだ?」と疑問の嵐で,はじめの一歩はとてつもなくハードルが高く感じるものです。実際に作業を始めても次々に問題は発生するわけですが,そういった遭遇頻度の高い問題点について一つ一つ丁寧に言及していく構成になっています。
また「意見の異なる指導医の間で板挟みにあった」「ケースレポート執筆が自分の成長につながった」など初学者目線のパールが散りばめられており,まるで論文を書き慣れている年次の近い先輩が教えてくれているような感覚になります。
オープンアクセスのオプションやクリエイティブ・コモンズなど出版関連の情報についても説明があり,実際の投稿作業にも役立つ内容満載です。
また,個人的にはAI, DXに1章割いているところも非常にリアルタイム感があってツボでした。自分も適切な場面,方法でのAI活用は効率的な執筆活動に必須と考えており,既に執筆作業にAIツールを取り入れていますが,今後,AIは加速度的に進化していくことが予想されるので,キャッチアップが必要と考えています。
自分も海外生活経験はありませんが,「言語の壁はもうない」というメッセージは,はからずも自分も先日院内レクチャーで話したばかりだったので,勝手ながら親近感を抱きました笑
私は後期研修中に指導医からケースレポートを書いてみないか,と何回か打診を頂いていたのですが,何かと言い訳をして諦めてしまっていました。今ではその時にチャレンジしておかなかったことを本当に後悔しており,思い立ったら吉日,ということを後輩たちにも伝えています。今後周囲にケースレポートの書き方がわからず困っている後輩がいればまずこの本を読むようおすすめしようと思います。

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